森下敬一 『食べもの健康法』●こんぶ
日本列島周辺の海は、世界一の海藻の宝庫である。この海藻を、日本民族は神代の時代から飽きることなく利用し続けて、今日に至っている。
海藻で特に注目すべき有効成分は、ヨードである。ヨードは、われわれの体内では甲状腺から分泌されるホルモンの構成成分となっている。
甲状腺ホルモンは、物質代謝を正常にする作用をしている。
海藻食は甲状腺の働きを健全化する事によって色々な薬効をあらわす。とくにめざましいのは肥満解消効果。
日本人に肥満が少ないのは海藻のせいではないか、と欧米諸国はがぜん注目しはじめている。
海藻のなかでも昆布は、ヨード含有量が多い。それにビタミンA、D、カルシウムの有効成分が加わる。
こんぶの薬効成分として第一にあげられるのは高血圧症に対する効果だ。
高血圧症は血液中に老廃物が増えて、血液の粘稠性が異常に高まったり動脈硬化が起こって細い血管を血液が流れにくくなっておこる。
こんぶは、血液を健康な弱アルカリ性にし、肝臓・腎臓・排泄機能を強化して、血液中の老廃物をどんどん除去していく。
そうなると、血液はサラサラと流れるようになる。
また、血管壁細胞の変性を解消し、血管壁に沈着したコレステロールを流しさるから、血管の弾力性も回復する。
こうして、こんぶは高血圧症を根本から治すのである。
血液が浄化され新陳代謝が盛んになるから、神経痛、リュウマチ、ぜんそくなどにも卓効をあらわす。
ところで、人は血管ともに年をとるといわれているくらい、動脈硬化が起こると組織臓器の新陳代謝は大いに障害され、年よりも早く老けこんでしまう。
それどころか、動脈硬化は脳・心臓・腎臓といったデリケートな器官におこりやすいから、寿命を縮めることになる。
昆布を常食していれば、このように怖い動脈硬化とも無縁となる。
血液の粘稠性が異常に高まるのは、特に、動物蛋白食品の過食が原因。肉、卵、牛乳は穀菜魚食民族である日本人の消化管ではうまく処理しきれない。
そのため中間代謝産物が老廃物として血液中に増えてしまう。
一方、動脈硬化をおこす最大の原因は白米、白砂糖などの精白食品。精白食品は血糖値を急上昇させる。
血管壁には、弾力性を保つためにインシュリンというホルモンが含まれているが、このインシュリンが血糖を処理するために使われてしまうのである。
昆布を積極的にとる一方、動物蛋白食品や精白食品の摂取を極力控えれば、こんぶの薬効は、いっそう大きくなる。
■磯味モチ
材料(14個分)
・こんぶ粉末・・・1/4カップ
・小麦胚芽粉・・・1カップ
・黒砂糖・・・大さじ3
・玄餅粉(玄米のモチ米)・・・2カップ
・ミネラル水・・・1と1/4カップ
・しんびき粉(モチ米を蒸して乾燥し粗びきしたもの)・・・適量
・自然塩・・・小さじ2/3
・ごま油
<作り方>
①こんぶ粉、小麦胚芽、玄餅粉、黒砂糖、水、塩をよく混ぜて練り、強火の蒸し器で20分蒸します。
②、①をすり鉢で突き、15個分に分けて形を整え、しんびき粉をまぶしてごま油で上げます。
■こんぶめし
材料(6人分)
・玄米・・・3カップ
・だし汁・・・4カップ弱
・こんぶ・・・20cm角1枚
・自然酒・・・大さじ3
・しょう油・・・大さじ3
・自然塩・・・少々
<作り方>
①水洗いした玄米、細く切った昆布と分量の水に調味料を圧力釜に仕込み、強火にかけます。
②沸騰して弱火に落としたら25分炊き、火を止めて5分したら蒸気を抜きます。
③重りを戻して10分蒸らします。
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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士
お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者
東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。
新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。
独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。
著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。