長ぁ~い息は長生き【数息観】

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船瀬俊介連載コラム

「息を細う、長ごう、吐いたらよか・・」

九四歳になる私の祖母が、その長命の秘訣を教えてくれました。まだ高校生ぐらいだった私は、感心したものです。

後に東洋には「長息長命」という教えがあることを知りました。さらに東洋の英知と呼ばれるヨガでは、こう教えています。

人間が一生の間に食べる量、呼吸できる回数は、決まっている…と。

なるほど、それで「大食短命」の意味が理解できます。はやく言えば、大飯食らいは食いおさめが早く来るわけです。

相撲取りに長命の人がまれなのも納得できます。勝負で勝ち進むためには、若いうちから腹いっぱい食べて太ることが必要です。

だから肥満・短命は、お相撲さんの宿命みたいなものなのです。

しかし、呼吸も少ない方がよい…とは以外だったでしょう。呼吸がせわしいハッカネズミは短命です。呼吸が長い動物ほど長命なのです。

200年は生きると言われている象ガメは、数分に一回程度と言われます。

その謎を解くキーワードは、活性酸素でしょう。

ここ20年ぐらいの間に、その存在や作用がはっきりと分かってきました。空気中には、すでに約二%の活性酸素が存在するそうです。

これは、分かりやすく言えば酸化力が極めて強い酸素のことで、英語では”フリー・ラジカル“と呼ばれています。

人間を悩ませるいろんな病気や癌、老化などの原因が、最近分かってきました。その根本原因が活性酸素です。

「九割以上の病気の引き金が活性酸素」とは、現代医学の常識です。人間をはじめとする生物にとって適量の活性酸素は必要です。

例えば、白血球などの免疫細胞が体外から侵入したウイルスや病原菌などをやっつける時、威力を発揮します。

つまり、活性酸素の酸化力でウイルスなどを焼き殺すのです。活性酸素は”火炎放射器“として役立ちます。

しかし、強すぎると自分の細胞や組織までをも攻撃して痛めてしまうのです。それらがリウマチ、膠原病など自己免疫疾患と呼ばれる病気なのです。

アトピーもそうです。難病として原因不明とされてきましたが、その原因は、活性酸素だったのです。

それは過剰な呼吸のほか、過食、化学物質、タバコ、ストレスなどでも発生します。

人の一生と鉄クギの一生

人間の一生は、鉄クギの一生と似ています。新品のクギは、まっさらでピカピカ光輝いています。それが次第に黒ずみ始め、次第に赤サビに変わります。

大気中の酸素による酸化が進んでいるのです。サビはだんだん内部にまで進み、ついに全体が酸化して真っ赤にサビてしまった時がクギの臨終なのです。

こうしてクギは酸化鉄となり、朽ち果てて大地に戻るのです。人間の一生も同じです。

ならば、その酸化を遅らせるには、体内に取り入れる酸素を少なく、必要最小限にすればいいのです。

食べ過ぎ、空気の吸い過ぎは、体を早く老化させます。

その真実に気付いた東洋の賢者たちは「数息観」という健康法を教えています。自分の呼吸回数を息を吐きながらゆっくりと数えるのです。

目を軽く閉じて、まず10まで数えましょう。背筋を伸ばして、楽にして呼吸に意識を集中させます。これは腹式呼吸そのものです。

最近、腹式呼吸が健康にいいことはマスコミなどでもよく知られるようになりました。「数息観」をやると手の指先がポカポカ温かくなるのを実感できます。

末梢血管が開いてきたのです。つまり、血液の循環がよくなるのです。

「肩こり、冷え性、白髪は10秒で治る」と私が言うと、みんな「ヒェーッ」とビックリします。

この長息法を実践すれば、確実に治っていきます。三つとも末梢血管の血のめぐりが悪くなっているのが原因だからです。

ちなみに、私の安静時の呼吸数は一分間に約一回です(聴衆は、またもや「ヒェーッ」)時々、呼吸をするのを忘れることも…。(これはウソ)。

禅のお坊さんやヨガの実践者にはニ~三分に一回の呼吸なんて人がザラだとか。でも、最初からムリしてはいけません。

自分で気持ちのよい長息法を楽しんでください。

自分の呼吸回数を、イーチ、ニー、サァーン…と数えているうちに嫌なことも忘れていることに気付いたでしょう。

それは、一種のメディテーション(瞑想)になっているのです。

活性酸素の発生源ストレスからも解消されて一石二鳥ですね。そのうち深く、長い息が、一日中当たり前になってきます。

そして「最近、若く、きれいになったね」と肩を叩かれることでしょう。

2005年1月 月刊社会民主 「船瀬俊介の躰にいいコラムVOL . 05」より転載

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

船瀬俊介公式ホームページ= http://funase.net/

船瀬俊介公式facebook=  https://www.facebook.com/funaseshun

船瀬俊介が塾長をつとめる勉強会「船瀬塾」=  https://www.facebook.com/funase.juku

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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