今月のFACE 生産者紹介 株式会社 徳食(徳島市鮎喰町)
●日本の夏の風物詩
日本では古くから大麦を炒って飲料にする風習がありました。戦国時代の武将も愛飲したと伝えられ、江戸時代には「麦湯店」が町人衆の憩いの場になりました。
明治大正以降も庶民の飲み物として親しまれ、昭和30年代に冷蔵庫が普及してから冷やして飲む習慣が生まれたそうです。
初夏の麦の刈り入れの季節を「麦秋」「麦の秋」といい、大麦や小麦が熟して畑一面が黄金色になる初夏の季語です。
“秋”は穀物が成熟して収穫を迎える時期を意味します。
麦秋という美しい言葉が残るわが国ですが、日本の食糧用小麦の自給率はわずか12%、比較的自給率の高い食糧用大麦でも38%しかなく、麦茶の原料に限ればオーストラリアやカナダからの輸入に6割を頼っています(※)。
そんな中、ムソーでは国産大麦にこだわった麦茶をお届けしています。
※平成20年~24年の平均数値。農林水産省・作況調査より
●鉄釜砂炒りによる直火焙煎
ムソーの「国内産・麦茶〈T.B〉」の製造をお願いしている徳食は、もともと大豆を炒って挽くきな粉や、大麦を炒って挽くはったい粉作りが生業、つまり穀物焙煎の職人さんです。
麦茶の焙煎は50年ほど前に始め、40年前から極端に不作な年以外は国産大麦100%で麦茶を作っています。
二代目社長は麦倉俊介さん、麦茶作りにぴったりのお名前です。
原料の大麦は岡山県を中心に、京都、福井、九州産などを使用。品種は西日本で主に栽培される大粒の二条大麦がほとんどです。
外国産大麦は水分量が一定ですが、国産原料は水分がまちまちなので、炒り加減に技術が必要です。
徳食の麦茶は熱風焙煎ではなく、昔風の鉄釜砂炒りによる直火焙煎。鉄釜の中で熱した砂(粒状大理石)を循環させ、その中に大麦を通して炒り上げる方法です。
熱した砂の遠赤外線効果で、大麦の芯までこんがりじっくり焙煎するので、国産大麦の味と香りと色を充分引き出せます。
170度で5~7分の予備焙煎を2回、本焙煎を1回。この間、火の通りを見極める職人さんは汗だくです。
炒り上がった約200度の大麦を、風力冷却機で冷まします。「冷却機がなかった頃は、大麦の熱でよく火事を出したものです」と麦倉さん。
ふるいにかけた後、丸麦の麦茶はそのまま袋詰め。
ティーバック用は煮出しでも水出しでもよく出るよう、粗く砕いて無漂白ティーバックに詰めて出来上がりです。
●ノンカフェインのやさしい味わい
麦茶はカフェインやタンニンを含まないので、赤ちゃんからお年寄りまで安心して召し上がれます。
また麦には体を冷やす作用があり、夏の暑いとき、冷たくした麦茶はほどよく身体を冷やしてくれます。
夏は冷やしてゴクゴク、秋から春までは熱い麦茶でほっこり…香ばしさとさっぱりした喉越しをお楽しみください。
41413(ムソー)国内産・麦茶〈T.B〉
10g×50 470円(本体価格)508円(税込価格)
【原材料】大麦(国内産)
国内産大麦の味と香りを、昔風の鉄釜砂炒りによる直火焙煎で充分引き出しています。
カフェインやタンニンを含まないので、赤ちゃんからお年寄りまで安心して召し上がれます。冷蔵庫で冷やしても、温かいままでもおいしくお飲みいただけます。
おいしい飲み方
煮出しの場合
沸騰したお湯1.2リットルに、ティーバッグ1包を入れてお好みの濃さになるまで煮出したら、ティーバッグを取り出し、粗冷ましした後、ポットなどに入れて冷蔵庫で冷やしてお飲みください。
冷水の場合
水1.2リットルに、ティーバッグ1包を入れ、そのまま冷蔵庫で冷やしてください。40分~1時間でおいしい麦茶が出来上がります。
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月刊「むすび」 2014年08月号より
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