たんぱく質は身体の大事な構成要素

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レッスン19 たんぱく質

たんぱく質は、幼年期、青年期を通じ、成長に必要な多量栄養素です。

筋肉を作り、怪我を治し、水以外の体重の大部分を構成します。

たんぱく質は細胞内、組織、リンパ、複数のホルモン内に存在します。

炭水化物同様、炭素、酸素、水素で構成されますが、たんぱく質には窒素も含まれます。

4つの元素はある特定の型に集り、たんぱく質の建材であるアミノ酸となります。

身体がグルコースやエネルギーを必要とする時にアミノ酸を分解し、炭素、酸素、水素に戻します。

ところが、この反応が起こる時に使われなかった炭素も肝臓と腎臓で代謝されなくてはならないため、内臓に負荷がかかります。

そのため、多くの医者や栄養士は毎日のエネルギーを得るために、たんぱく質ではなく炭水化物を勧めているのです。

アミノ酸には20種類あり、そのうちの10種類は必須アミノ酸( アルギニン含む)で、食物から摂らなくてはなりません。

この10種類を摂ることで残りの10種類を作ることができます。

たんぱく質の内、特別な役割を持つのが酵素です。酵素はアミノ酸が鎖状になったもので、糖をグルコースに変換し、ビタミンB12を吸収し、インスリンを働かせる助けとなります。

たんぱく質は加工されていない全ての食物に含まれています。

魚、肉、豆は多くのアミノ酸を含んでいますが、キノコやレタスなどの野菜は幾分か程度です。

種、ナッツ、穀物にもわずかしか含まれていませんが、アミノ酸の構成要素が豆類と相補う関係にあるため、両方を摂ることで卵や肉と同程度のアミノ酸を摂ることができます。

フランシス・ムア・ラッペ著「Diet for aSmall Planet( 小さな惑星の緑の食卓
-現代人のライフ・スタイルをかえる新食物読本 奥沢喜久栄訳)」は、早くからこの点について触れた本の一冊です。

たんぱく質を必要とする割合は十人十色、時々により異なります。

しっかり活動するため大量に必要な人もいれば少量で済む人もいます。

年齢、健康状態、活動レベルがその人にとって最適なたんぱく質を決めてくれます。

なんらかの不調の症状がたんぱく質の摂取量を見直すキッカケとなる場合や、たんぱく質を多く摂る必要性を促すかもしれません。

最終的に、倫理的、スピリチュアル的な観点から、何のたんぱく質を摂取するかを考える必要性も出てきます。

Exsecise19 メニュープランのたんぱく質を見極める

エクササイズ17で作成した「理想的なメニュープラン」(生活の中で栄養が占める位置を把握する【理想的なメニュープランを考える】)から、主なたんぱく質の供給源を見つけましょう。

① 次の食材にはお好みのたんぱく質の供給源の印(PP)を付けましょう。

●うずら豆、黒豆、ひよこ豆、レンズ豆、塩化マグネシウムを含むにがり豆腐などの豆類

● 醤油、味噌など豆類を含む食材(大さじ2杯以上など、まとまった量を摂る場合に限る)

● ナッツ類、種、それらのバター(大さじ2杯など、まとまった量を摂る場合に限る)

※穀類、野菜、デンプン質の根の食材には印は付けません。

こうした食材にもたんぱく質は含まれていますが、このエクササイズでは主たるたんぱく質の供給源とはみなさないようにします。

②次の食材にはたんぱく質の供給源としては理想的ながら(私の考えでは)毎日摂るものではない食材の印(P)を付けましょう。

● 主たる食材、または他の料理の付け合せとして摂る有機牛・豚・七面鳥、野生の魚などの動物性食品(有機と表示されていない食材は選ばないようにしましょう)

● 卵(十分な量を摂る場合のみ印を付けます。例えば、スクランブルエッグは主たるたんぱく質の供給源ですが、24個のマフィンに1個の卵は不十分です)

● 大豆、水、にがり(塩化マグネシウムと表記されることが多い)以外の原料を含む豆腐

● 有機と表示されていない豆食物(非有機の大豆はほぼ全て遺伝子組み換えされています)

③次の食材にはたんぱく質の供給源としては最も避けるべき食材の印(XP)を付けましょう。

● 有機ではない動物性食品

● 保存料やナトリウムが過剰に入っている弁当の肉、ホットドッグ、ビーフジャーキー等の加工動物性食品

● 揚げ過ぎた肉やファストフード店で販売されている肉


レッスン① たんぱく質を摂取する

質の良いたんぱく質(PPあるいはP)を摂っていきましょう。まずは植物性、または動物性のどちらかを選びます。

調理した豆1/2カップ、卵2つ、4オンス(約113g)の肉がそれぞれ一単位になります。自然に他の食材とのバランスが感覚的に取れるようになります。

たんぱく質食品を一口しっかりと噛みます。味に対する反応はどうでしょうか?

レッスン② スタミナに着目する

あなたにスタミナがどれほどあるのか考えてみましょう。炭水化物は一日を通して使う燃料、たんぱく質は活動を起こさせるバッテリーのようなものです。

あなたのエネルギーは満ち足りていますか? 日中常に(またはたびたび)疲れていませんか?

身体の中心のエネルギーが枯渇していると感じるようであれば、たんぱく質がもっと必要です。

疲れではなく、エネルギーが枯渇しているかが分かる方法は、朝起きる際にエネルギーレベルに注目してみることです。

枯渇している場合、一日中ダラダラしているでしょうし、疲れている場合は食事をすれば回復します。

また、病気からの回復の仕方にも注目してみましょう。枯渇している場合、回復にはより長い時間を必要とします。

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Julia Ferré

北カリフォルニア在住。夫のCarl Ferréと共にGOMFを運営。

GOMF発行「Macrobiotics Today」誌への原稿執筆、毎年のサマーキャンプの運営を行う。

新刊「Food and Intuition 101」に加え、「Basic Macrobiotic Cooking」「French Meadows Cookbook」の著者。

HP:www.JuliaFerre.com

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