きな粉こそ、まるごと大豆全体食。風味よし。食べてよし。保存よし。さらに値段安し。と四拍子

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大豆はずば抜けたガン予防食品である
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以上のように主に三種の薬効成分によって、大豆は次のような病気に卓抜した効果を揚げることが立証されている。

▼乳ガン・子宮ガン:アメリカの疫学専門誌『ジャーナル・オブ・エピデオロジー』には「大豆製品を多く食べると子宮ガンになりにくい」と医学論文で報告されている。

いわく「大豆製品を多く食べている日本、中国では子宮ガンが少ない」。イソフラボンは子宮ガンの原因である女性ホルモン(エストロゲン)過剰分泌を抑制するからだ。

▼前立腺ガン:エストロゲン不足が一因でおこる「ホルモン依存症」のガン。エストロゲン投与の治療法で、ガンは縮小し転移も改善される。

大豆イソフラボンによるフィトエストロゲン作用も同様に効果を発揮する。

前立腺ガン組織を移植したマウスに大豆成分を投与すると腫瘍が小さくなることが確認されている。

▼肌の老化:老齢化すると体内に老化促進する過酸化脂質が増えて来る。これはたんぱく質と結び付いてリポフスチンという黄褐色顆粒を合成し、細胞核の近くに沈着していく。

これがシミ(老人斑)の原因といわれる。

レシチンは、このリポフスチンを分解する作用がある。大豆に豊富なビタミンEは、この作用を補助する作用がある。

▼更年期障害:女性ホルモン減少を、フィトエストロゲンとして緩和。神経不安定はレシチンが癒す。

▼骨粗しょう症:閉経後の女性に多い病気だ。骨量の一五~五0%が失われるというから怖い。

それはエストロゲン不足が原因だ。エストロゲンには骨をつくるカルシウムの脱落を防ぐ作用がある。

大豆イソフラボンは女性様ホルモン効果で、骨格からのカルシウム脱落を予防する。

▼脳卒中:レシチンによるコレステロール低下作用による。

▼痴呆症:脳、神経組織の成分レシチンを補給することで予防、改善。

▼動脈硬化:イソフラボンは血圧上昇を防ぐ。さらに血管壁に付着する悪玉(LDL)を減らす。さらに善玉(HDL) コレステロールを増やして改善する。

さらにレシチン効果でも悪玉コレステロールは低下する。

▼心臓病:レシチン、イソフラボンによる動脈硬化予防による。

▼高血圧:イソフラボンおよびレシチン、サポニンの三重効果で改善。

▼糖尿病:レシチンやイソフラボンはすい臓ホルモン、インスリン分泌を盛んにして、血糖値を下げ、正常にする。大豆たんぱく質にもブドウ糖を有効に利用する作用あり。

▼高脂血症:レシチンは乳化作用で血中脂肪を排出する。

▼肥満症:口本人にも太鼓腹の超肥満が増えている。これは「前駆脂肪細胞」が増大し、すい臓のインスリン分泌が衰えることか原因。

イソフラボン等は、すい臓を活性化させ、肥満を改善する。

そうだ!きな粉があった

さて、これほどの超薬効食品の大豆。毎日、食べ続けることは、まさに不老長寿のクスリを飲んでいるようなものだ。

かつて、味噌の項で記したように、毎日味噌汁を飲むことなど、欠かせぬ日課といえる。

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さらに、わたしは大豆をとる方法として、豆腐や豆サラダなどを工夫してきた。しかし、豆腐は痛みやすい。豆は煮る手間がかかる。

もっと、手軽に大豆を食べる方法はないものか。そこで、ハタと気付いた。そうだ!きな粉があった。

きな粉こそ、まるごと大豆全体食。なにしろ、大豆を炒って粉末にしただけのものだからだ。

風味よし。食べてよし。保存よし。さらに値段安しーーと四拍子そろっている。

(中略)

栄養価も一〇〇gあたり、たんぱく質四Og、脂質ニニg、炭水化物二八g、さらにナトリウム一〇mg……など、完全栄養食品といえる。

これなら煮たり焼いたり料理の手間いらず。サッと出し、サツと食える。その秒速スピードが痛快だ。

▼きな粉かけご飯:一〇〇歳超の長寿者に愛好家が多い。ただ、好きな量ふりかけるだけ。コツもへったくれもない。

▼きな粉モチ:これは、子どもの頃を思い出して、じつに懐かしい。モチを焼いたり、如でたりして、きな粉をたっぷりまぶす。

焼モチは、お湯に通すのを忘れずに。

▼わらびモチ:文字通り、蕨の粉でつくったモチだが、きな粉がなければ始まらない。

▼きな粉団子:これも、砂糖醤油たれの御手洗団子とならんで、黄粉団子は、団子の代表的定番だ。

きな粉メーカーの三木穀粉(電話”0792|46|2231)に取材。

さらに、次の料理アイデアを伝授された。

▼自家製きな粉入パン:パンを焼くとき生地に好みできな粉を混ぜる。きな粉風味の栄養パンができあがり。

▼きな粉ホットケーキ:やはり生地に少々きな粉を混ぜる。栄養がグンと豊かになる。クッキーも同様。

▼きな粉和え:ごま合え料理と同じように、きな粉を和え物に加えると、風味立つ一品に。

ウルトラ級の健康食品”黒ごまきな粉“

「番茶のがぶ飲み、ごまの黒がけ……」

これは、わたしの健康法として、本のタイトルにもなった(花伝社刊)。


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さらに、ダブルでひらめいた。

ご飯に「ごまの黒がけ……」のときに、きな粉もかければ一挙両得。そこで、わたしは、ご飯に直ごまきな粉をふりかけるのを日課にしている。

自然塩少々で味付けして、かっこむ。

これだけでオカズもいらないほど実に旨い。料理の手間も何もない。ごまの驚異的な薬効は、この連載ですでに述べた通り。

大豆の超薬効と、ごまの超薬効をかけあわせるまさに、ウルトラ級の健康食品が黒ごまきな粉Iなのだ。

言うまでもなく国産・無農薬・有機栽培の大豆・ごまならベスト・チョイスだ。

やはり、上記の料理法で活用すれば、さらに栄養価はパワーアップする。

つくづく思う。脚下照顧……真理は、思わぬほど身近にあるものだ。

(参考:『大豆イソフラボン』井上正子監修、日東書院、『大豆の凄い薬効』帯津良一著、宙出版)

(図版A、B:出典『大豆イソフラボン』井上正子監修、日東書院より)

月刊マクロビオティック 2003年12月号より

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

船瀬俊介公式ホームページ= http://funase.net/

船瀬俊介公式facebook=  https://www.facebook.com/funaseshun

船瀬俊介が塾長をつとめる勉強会「船瀬塾」=  https://www.facebook.com/funase.juku

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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