歯質の悪化の原因と対策 

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森下敬一 健康談話 より

━■健康談話■━

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月刊誌「森下自然医学」掲載
「温故知新」から引用

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現代人の歯質は非常に悪くなっていて、虫歯は年々増えているという。

また、歯槽膿漏(現在は専門家の間では歯槽膿漏の状態も「歯周病」とひとまとめで呼ぶようになってきている―編集部調べ)も大変多くなっている。

虫歯がエナメル質や象牙質の病氣であるのに対して、歯槽膿漏は歯肉、骨、セメント質、歯根膜などの歯ぐき(歯周組織)の病氣である。

歯槽膿漏になる率は非常に高く、虫歯と共に歯科の2大疾患となっている

以前は中年以上の病氣とされてきたが、最近では20代の人にも多くみられるようになっている。

すなわち、20代で約20パーセント、30代では約40パーセントの人が罹っている。そんなわけだから、中年期ではもうウナギのぼりだ。

50代では、なんと80パーセントとなっている。

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重症になれば、虫歯でない歯まで抜けてしまうのだから、その恐さは虫歯の比ではない。

このように、虫歯、歯槽膿漏の激増を招いている歯質の悪化は、間違いなく体質が弱体化してきた証拠といえる。 

われわれの身体に抵抗力をつけ、生理作用の恒常性を保つために大きな役割を果している成分のひとつがカルシウムであるが、

この補給が十分におこなわれないと、カルシウムの貯蔵所ともいえる歯から、その成分が溶け出して不足分を補うことになる。

当然歯はもろくなり虫歯になりやすくなるわけだが、そんな状態を放置しておくと、歯の疾患だけではとても済まなくなる。

慢性関節リウマチ、リウマチ熱、虹彩炎、心内膜炎、神経痛、血栓性静脈炎、糸球体腎炎、胃潰瘍、胆のう炎、十二指腸潰瘍などの全身病を引き起こしやすくなる。

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虫歯が原因で、場合によっては敗血症などをおこし死亡する例もあるから、たかが虫歯ぐらいと甘くみることだってできないことなのだ。

歯質をよくするための体質の改善は、早ければ早いほどよい。

なにしろ、歯の芽は、受精7週目という早い時期につくられる。

その時期に十分なミネラルを与えること、即ち妊娠中の母親が十分なミネラルをとるかとらないかが、生まれてくる子の歯質に大きな影響を与えることになる。 

一般に歯を丈夫にする食品として牛乳があげられているが、かえって歯質を弱らせてしまう原因となる。

歯を丈夫にするためにはカルシウムの代謝を正常にさせることが大切なのだが、牛乳は、その生理的なカルシウム代謝を大いに混乱させてしまう食品なのだ。

もともと穀菜食動物である人間の身体には、動物の乳をうまく吸収、利用する機能は備わっていない。

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とくに、牛乳飲用の歴史の浅い日本人の身体には、牛乳の受け入れ体制が整っていない。

そのため、体内に入った牛乳の成分は役に立たないばかりか、臓器組織に多大の負担をかけることとなる。

牛乳そのものが日本人にとっては不自然な食品だからである。

歯のもうひとつの敵は砂糖である。

白砂糖は、体内のカルシウムを無駄に消費すると共に、腸内細菌のバランスを崩して大量の毒素を発生させ、血液の酸毒化を招く。

いずれも体質を悪化させ、歯質を弱らせる重大な条件だ。

その上に酸を生じて、直接歯を腐蝕してしまうという害作用ももっている。

では、歯にとって有効な食品とはどんなものか

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豆乳、海藻、シラス干しなどの小魚などは大いによろしい。

それに、ミネラルの健康食品を補えば、より効果的である。また、食物をよく噛んで食べることも大切なことである。

スウェーデンの小学校でおこなわれた実験では、学童に無精白の硬質パンを与え、十分に咀嚼することを指導したところ、虫歯の発生率は著しく低下したという。

無精白食品でミネラルやビタミンなどの微量有効成分を補うことは、血液をきれいにして歯質をよくするし、咀嚼による刺激によって歯根の血液循環を促すわけである。

また、繊維分の多い食物をよく噛んで食べることは、臼歯にいっぱいある窩裂溝(小さい穴や溝)がきれいに掃除されて、虫歯を防止する、という効用もある。

咀嚼はこのほかにもいろいろな効用をもっている。

たとえば、肥満防止になる。

よく噛んで食べると唾液の分泌も多くなり、脳の満腹中枢へも早めに刺激が伝えられるため、過食が防止できる。

現代人が十分な咀嚼をしなくなったのは、白米、白パンなどのような、あまり咀嚼しなくてもよい食物が主食になっていることに大きな原因がある。

玄米なら噛まざるをえないし、噛めば噛むほどそのすばらしい味を味わうことができるものなのだ。

大切な歯の手入れ

歯の衛生を心がけることは大切だ。

口内はとくに汚れやすいところであるから、食生活を正して、歯質そのものをよくすると共に、適切な手入れをすることも大切である。

歯磨きは毎食後が理想的で、市販の歯磨粉を使用せずに、荒塩やナスのへタの黒焼き粉末を用いるとよい。

これは、歯をきれいにすると共に、歯ぐきを丈夫にして歯槽膿漏の防止に役立つ。

すでに歯槽膿漏になっている人は、ナスの黒焼き粉末を手指につけて、歯ぐきを丹念にマッサージするとよい。

少々しみて痛いが、数週間続ければ効果があらわれてくる。

歯痛を和らげるための応急処置としては、梅干の肉を痛む歯のところで噛んだり、局所にあてておいたり、大根おろしの汁、黒豆を酒で煎じた汁などを口に含むのもよい。

ネギの白根を噛んでいるのも効果があるといわれている。

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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士

お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者

東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。

新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。

独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。

著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。

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