使うと怖い「痛み止め」消炎鎮痛剤に隠れた恐怖【休養こそ最大の薬】

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船瀬俊介連載コラム

わたしの手元に『「薬をやめる」と病気は治る』(安保徹著マキノ出版)という本があります。

これは「薬が病気を治す」と信じきっている方には、目からウロコ本です。手元に置いておけば、これからの健康生活は、約束されたも同然です。

著者の安保徹教授(新潟大学)は名著『免疫革命』で有名。日本医学界のパイオニアといってもよい良心的な医師です。

その名医が「病気の原因は薬である」と断言している。あなたの薬信仰は木っ端みじんに打ち砕かれてしまうでしょう。

安保教授によれば、病気とは「治癒反応」である。

だから「治癒反応」を止めると、病気の治癒にブレーキがかかり、病気は治らず慢性化するーーというのです。

古代ギリシアの医聖ヒポクラテスは「人間は生まれながらに体内に100人の名医をもっている」と喝破しました。それは自然治癒力に他なりません。

ヨガでも病気とは「からだが健康になろうとしている現れである」、だから「病気になったら感謝しなさい」と教えています。

痛みも「治癒反応」、止めるな

これらの教えからいえば、からだの「痛み」も「からだが健康になろうとしている現れ」なのです。

つまり、安保先生のいう「治癒反応」。それを止めるということは、からだの治癒を止めるのと同じ。

だから、「痛み」の原因も治癒されない。なるほど、「痛みどめ薬」(鎮痛剤)で、一時的に「痛み」は消えます。

しかし、それは薬剤で神経などをマヒさせて、「痛み」を感じなくさせただけ。薬が切れれば、また痛くなる……のくり返し。

その中でも安保教授が「使ってはいけない」と強く警告するがあります。

それが消炎鎮痛剤(非ステロイド系)。たとえば“フェイタス“。主成分は「フェルビナク」(3.0%配合)。※コラム執筆当時

この成分配合の医薬品(抗炎症剤)を調べると130商品以上もありビックリ。よく知られている医薬品「鎮痛剤」に“インドメタシン”(陽進堂) などがある。

配合された抗炎剤成分「フェルビナク」は痛みを起こす物質(プロスタグランジン)の生成を阻害する作用がある。

この消炎鎮痛作用で筋肉痛に「優れた効き目をあらわす」という(「添付文書」)。

痛みどめで「痛くなる」!

ところがーーー「膝痛、腰痛……などで頻繁に消炎鎮痛剤を使う人は要注意です。長期連用による弊害は、臨床の現場では日常的に観察されています」と安保教授は、警告する。

“フェイタス”や“バンテリン”などをしょっちゅう愛用すると……次のような副作用が現れてくる、という。

①「高血圧」(消炎鎮痛剤の血管収縮のため)

②「糖尿病」(同剤によるアドレナリン増で血糖値上昇)

③「強い冷え症」(血流障害で手足が氷のように冷たくなる)

④「頑固な頭痛・腰痛・生理痛など」(慢性的な血流障害と顆粒球増大で、痛みどめで痛みが慢性化!)

⑤「子宮内膜症」(婦人科疾患のリスクを高める。骨盤内の血流悪化で、子宮内膜症や卵巣膿腫にかかりやすくなる)

⑥「不眠、不安、疲労感」(常用で交感神経の緊張が固定化し、体は常に興奮状態に)

脈がカタカタ、心臓ドキドキ

愛用しているスポーツ選手などビックリでしょう。また使うほど「痛くなる」という悪循環も知っておくべき。

また常用者は次第に「眠れず」「疲れやすく」「だるく」「気分が不安になる」という。

あなたの疲労感は愛用の“フェイタス”のせいかもしれない。「脈がカタカタと速く打つようになり、体は疲れやすく不眠になります。心臓もドキドキするので気分がとても不安になります」(安保教授)

これらの警告は、「鎮痛剤」すべてに当てはまります。だから、どの商品でも「消炎鎮痛剤は使ってはいけない」(安保教授)。

「痛み」は「休め」のサイン

たしかに痛みはすぐにおさまる。しかし「効き目の速い薬ほど危険」なのです。CMのように運動選手に“愛用者“は多い。しかし、副作用について知っている人は皆無。

スーッと清涼感があるので手放せなくなるようです。

「痛み」とは体の酷使に筋肉が悲鳴を上げた状態。それは「治癒反応」であり、「休め」のサイン。入浴などで血行をよくして十分休養をとる。

つまり「休養」こそ最大の薬なのです。それは、あらゆる「痛み」にいえる。

「回復中」「動かすな」「休め」の信号です。

鎮痛剤でごまかすと、そのあとの代償は、あまりに大きく、恐ろしい。

2009年12月 月刊社会民主 「船瀬俊介の躰にいいコラムVOL . 63」より転載

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

船瀬俊介公式ホームページ= http://funase.net/

船瀬俊介公式facebook=  https://www.facebook.com/funaseshun

船瀬俊介が塾長をつとめる勉強会「船瀬塾」=  https://www.facebook.com/funase.juku

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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