森下敬一 『食べもの健康法』●くるみ
現代人が健康管理を行う際に、考慮しなければならない重要事項の一つは、抗公害性を高めること。
そのために大いに活用したいのは松の実、くるみ、栗、カシューナッツ、ピスターチオ、アカダミアナッツなどのいわゆる「ナッツ」類だ。
これらはいずれも基礎体力を増強するとともに、細胞の防水性を高めることによって、抗公害性をうんと高めてくれるのである。
ここでは入手しやすいくるみを取り上げるが薬効は他のナッツ類も大同小異だから、いろいろな味を楽しみながら公害に強くなろう。
さて、基礎体力を増強するのは、くるみに粗蛋白、ビタミンB1が豊富に含まれているため。
粗蛋白は、肉、卵、牛乳の動物蛋白と異なって体蛋白の自家生合成にスムーズに組み込まれるから内臓や筋肉を丈夫にして、その働きを強めスタミナをつける。
B1は代謝を高め、疲れを早く直す。
昔に比べて運動量は激減しているのに現代人がやたらに疲れやすくなっているのは、精神的ストレスに加えて、白米・白パン主食によって引き起こされる深刻なB1不足のため。
疲れが蓄積すると、体の抵抗性は低下する。
細胞の防水性が高められると、細胞にとっての、不要な水分ははじき飛ばされるから、公害物質も細胞を侵しにくくなる。
我々の体内ではすべての物質は水に溶かされた形で動き、そして代謝されている。
余計な水分が細胞内に入り込めば、それだけ不要な物質も浸入して、細胞活動は混乱させられてしまう。
その典型的な例は肥満だ。
それで肥満体はスタミナがなく、いろいろな病気にかかりやすい。公害にも弱くなっているはず。過食をやめてくるみを常食することは非常に有効な肥満防止法である。
胡桃が、細胞の防水性を高めるのは、リノール酸などの不飽和脂肪酸を豊富に含むため。
このリノール酸は、余分なコレステロールを洗い流す働きもあるから、くるみは動脈硬化、高血圧、腎臓病の予防に役立つ。
また、クルミにはビタミンEも多い。
Eは体組織での酸素の利用をよくする働きをする。代謝が鈍って老廃物が停滞すると組織は酸欠状態となる。
だが、そこにEが作用すると組織の活動は活発になり、本来の機能がよみがえる。
髪の毛が薄くなってきたとき、白くなりかかったときにくるみを食べると黒く艶のよい毛になってくるのもそのため。
髪だけでなく、くるみは著しい健康効果を表す。
脳は、体のどの組織よりも大量の酸素を必要とする器官なのだ。Eは血液循環をよくする作用もあって、息切れを治し心臓の負担を軽くする。
さらに不飽和脂肪酸は、便通を整え、腸の過敏性をなくして、自律神経を安定化させる。
■ くるみ和え
材料(5人分)
・白菜・・・300g
・さやえんどう・・・30g
・くるみ・・・30g
・白みそ・・・大さじ1
・ミネラル水・・・大さじ1
・しょうゆ・・・大さじ1/2
・自然塩・・・少々
<作り方>
①白菜は、一口大にそぎ切りし、さやえんどうは塩ゆでして水切りしておきます。
②くるみをすり鉢でよくすり、白みそ、しょうゆ、塩、水を加えてすり混ぜ、①を和えます。召し上がる直前に和えてください。
■ くるみせんべい
材料
・くるみ・・・30g
・地粉・・・1カップ
・胚芽粉・・・1カップ
・自然塩・・・小さじ1
・植物性バター・・・大さじ1
・ミネラル水・・・1と1/2カップ
・ごま油・・・少々
<作り方>
①くるみを粗みじんに切っておき、材料全部を混ぜ合わせ、よく溶きます。
②天火の皿に油を塗り、小さじ1杯ずつ薄くのばし、180度で10分ぐらい焼きます。
③フライ返しで、はがすようにとります。
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森下敬一 (もりした けいいち) 医学博士
お茶の水クリニック 院長 千島・森下学説『腸管造血』提唱者
東京医科大学卒業後、生理学教室に入り、血液生理学を専攻。千葉大学医学部より学位授与。
新しい血液性理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。
独自の浄血理論と、玄米菜食療法で、慢性病やガンなどに苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ自然医学の第一人者。
著書に「血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 」「ガンは食事で治す」など約80冊がある。