牛乳神話の崩壊 

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船瀬俊介連載コラム

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「牛乳はカルシウムの宝庫」「強い子になるために、牛乳を飲もう!」

子どもの小学校に行って、教室や廊下の壁、いたるところにこのようなポスターが貼ってあることに驚いた。

広告主は「全国牛乳普及推進協会」とか、なんとかいう団体だった。

学校だけではない。「牛乳」といえば「カルシウム」と、連想ゲームのように日本人なら、ほとんどの人が答えるだろう。

だから、たいていの母親は、子どもに牛乳を飲ませる。

「カルシウムをつけて、大きくならなくっちゃ…」「もっと牛乳を飲みなさい」

いわゆる牛乳=カルシウムの”刷り込み”現象が行なわれているのだ。

いつから、このような牛乳神話が日本人に、浸透したのだろう?

私が子どものころ、つまり約四十年前には、すでに「牛乳配達」なる言葉があった。毎朝自転車で牛乳を配達していくのだ。

けっして豊かではない当時として、一本ずつの牛乳を配達させるなどは、まさに「牛乳は極めて高栄養」という神話がすでにそのときに成立していたことを意味する。

パン・牛乳推進はGHQがすすめた占領政策

実は、この日本人の牛乳神話を推し進めたのは、占領軍GHQなのである。自然育児の提唱で有名な真弓定夫医師は指摘する。

「終戦後の七年間、日本はアメリカの占領下にありました。当時のアメリカには、小麦と牛乳がふんだんに余っており、武器としての食糧政策として世界各国に販路を求めていました。

その際占領下の日本は、そのもっともよい標的にされたのです」
(『あやもよう』2000/5/1)

真弓医師は言う。

「占領下の昭和二十七年までは、パンや牛乳をとらされたのは、やむをえませんでした。問題は占領が解かれてからの文部省・厚生省のあり方です

つまり「パン・牛乳が経済的利潤をもたらすことを知った文部省・厚生省は戦前のすぐれた日本食文化に戻すどころか、アメリカも呆れるほどに食の欧米化を押し進めてしまいました。

その代表的な誤りが学校給食で、税金を使って子どもたちの健康とくに心の健康を損ね続けてきました」

それは実に現代まで続いている。

政府のニ―世紀に向けての健康づくりの指針。それが厚生省の「健康日本21」である。その窓口「栄養食生活分科会(1999年度)」では、栄養・食生活の目標値を定めて報告している。

そこには、成人の「一日あたりの牛乳。乳製品の摂取量は130グラム」と示されている。

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真弓医師は、百歩ゆずって中学校給食で提供されている一日200グラムという牛乳の摂取量(乳製品を含まず)は許容範囲としても、「問題は小学生」という。

「入学したばかりの一年生にも同じ量が、何の疑問も抱かせずに毎日の給食に出されている」と批判する。

幼稚園・保育園児は問題はさらに深刻。

「単純に体重比からかんがえても、一日の摂取量は30~40グラムで十分」「そうした園児にも中学三年生と同じ200グラムの牛乳が出されているおかしさに気がつかぬほうが、おかしいのではありませんか」

さらに子どもたちは「自宅でも大量の牛乳を飲まされてしまっています」。

真弓医師は、なぜ政府や親たちによる子どもたちへの「強制的」牛乳摂取に懸念を抱くのだろう。

「これが、動物性食品の過剰摂取を招き、終戦(昭和二十年)前には、あまりみられなかったアレルギー疾患、生活習慣病、心のかたよりを生み出す大きな要因になっています。

真弓医師は、牛乳を白い血液と呼ぶ。

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「たとえば牛乳を、牛の子どもに静脈注射しても、牛の子どもは死なない。

ところが、人乳をとって子牛に注射すると、死んでしまう。

逆に人乳を赤ちゃんに注射しても死なない。ところが、牛のミルクを人の赤ちゃんに注射したら死んじゃうんです。

それだけの異物反応を起こす。それだけのものがダイレクトに入ってきてますから、当然、激しい症状がでる。

経口的に入ってきてもやっぱりそれだけの反応を起こすことはあると思う。

それらを大量にとるということは、やっぱり問題だと思います」
(『第一回食と健康を考えるシンポ報告集』1986年)

月刊マクロビオティック 2000年8月号より


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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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