味噌は世界に誇る和の調味料【千変万化の健康食品】

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味噌は世界に誇る和の調味料の東の横綱だ。

西の横綱は醤油となろう。しかし、味噌は、その原材料から千変万化の風趣といい、醤油よりも勝る。

つまりはソイソース(醤油)をはるかにしのぐ。世界に誇る調味料の王者と言っても過言ではない。文字どおり、手前味噌と笑うなかれ……。

九州での幼少年期、生涯一百姓であった祖母の味噌造りを手伝った記憶がある。

釜で蒸しあげた大豆を臼に祖母が移す。それを、私が足踏み杵でつくのだ。ちょうどシーソーのようになった杵の柄の一方を踏んで、足を上げるとドスンと杵が煮た大豆を砕く。

湯気を上げる大豆。それを手早く混ぜる祖母の姿。微かな遠い思い出だ。いま思えば、杵でついた大こうじ豆に祖母は、麹と食塩をしゃもじで混ぜていたのだ。

このように、我が家の味噌はすべて祖母の手作りであった。それは、当時の日本の田舎ではごく当たり前の作業だったのだ。

まだ大豆のつぶつぶが小さく残った我が家の味噌は、ご飯にのせて食べても美味しかった。私たちの世代には、それぞれの郷愁と共に蘇る手前味噌があった。

当時は、まったく意識もしなかったが、それは幸せな人生の財産とでもいえるものだ。

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全国に花開く万化の味噌文化

このように味噌の原点は、蒸した大豆と麹と食塩である。

その起源は、古代中国にまでさかのぼる。彼の地では「醤」とか「妓」と呼ばれた発酵食品がルーツとされている。

朝鮮半島を経て、奈良時代よりも前に日本に伝来したという。それらが改良を重ねられて、日本独自の味噌が誕生した。

一五世紀半ばから戦国の世にかけて、兵糧食として重宝され、それが庶民の暮らしにも浸透していった。

全国に伝播する過程で、さまざまな原料が工夫され、個性、地方色ゆたかな味噌文化が全国に開化していった。

たとえば原料では、豆味噌・米味噌・麦味噌などが生まれた。蒸した米や麦をつぶしてやはり麹、塩を混ぜて発酵、熟成させる。

さらに、気候風土によって、信州味噌・讃岐味噌・仙台味噌・加賀味噌……など、地方色ゆたかな味噌が生み出されてきた。

さらに「甘い」「辛い」で分類したり「赤味噌」「白味噌」と色で分類したり、さらに「合わせ味噌」まで……そのバリエーションにはきりがない。

味噌の味わいは、原料の大豆に対する麹の原料割合で決まる。

これを麹歩合という。白味噌がもっとも高く15~30%。また塩分濃度が高いほど辛日味噌となる。

だいたい塩分濃度は5~13%の範囲だ。

栄養学的にも、ほぼ完全栄養だ(図A)

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400年もった信玄味噌の軌跡

日本文化論の古典的名著『梅干しと日本刀(上)』(祥伝社)で、樋日清之氏(国学院大学教授)は「信玄味噌が、四00年以上の保存に絶えた」理由について述べている。

つまり、日本の古代人たちは海からとれる食塩を保存させる方法として、味噌などを思い付いたという。

食塩は空気に触れるとすぐ品質が変化する。そこで、空気に触れさせない方法として「他の動植物のたんぱく質や繊維の中に塩を入れる」ことを知った。

「その発想が、漬物、味噌、しょうゆの発達の原点」というから面白い。

「発酵がそこで止まると同時に、食塩が空気に触れないから半永久的に保存される」。

山梨県に残る武田信玄が考案したといわれる信玄味噌も四00年たっても、つくった当時のまま食べられる。

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もちろん、大豆のたんぱく質も、変質することなくそのまま保存されている。この一事からも味噌は驚嘆すべき保存食であることがわかる。

発酵食品から「酵素」を摂り入れる

「生命の手品師」有名な森下敬一博士(御茶の水クリニック院長)は、発酵食品に含まれる酵素を、こう称える。

博士は、クスリを一切用いずに食事の改善により様々な病気を治癒させることで知られる。

「体の構成物質の合成・分解」の「化学反応を支配している」ものが「酵素」なのだ。さらに食物をエネルギー源とするのも、食物から体をつくるのも「酵素」のおかげ。

「酵素は、体内にあって細胞の形成とともに生み出されたものである。新陳代謝のくり返しによって、消耗したり破壊されたりする。

したがって、常時、食物として補給しないと生理機能が弱められ、いろいろな障害をおこす」(森下博士『クスリをいっさい使わないで病気を治す本』三笠書房)

味噌は、その筆頭ともいえる発酵食品だ。

その他、しょうゆ、納豆、漬物、甘酒などなど。これらには、良質な酵母菌が繁殖しており、酵素も豊富にふくまれている。

私たちの祖先は「現代日本人と違って、動物たんぱく食品を摂取せずとも、立派な体格と健全な精神」を持っていた、と博士は強調する。

「現代日本人の健康は、この酵素不足を解消しなければ回復不可能である。健康食品の『酵素』を摂り入れ、体内の酵素の消耗を補って活性を高めることが、今日望まれるもっとも確実で有効な方法なのだ」(同)

肉、牛乳……動物食をまず止める

味噌をはじめとする発酵食品は、まさに「生命の手品師」の酵素により、目をみはる病気予防と治療効果を上げる。

しかし、その前提として森下博士は、肉食や牛乳などの動物食をやめることを強く勧めている。

私は、最近『まだ、肉を食べているのですか』(三交社)という本を翻訳した。著者ハワード・ライアンは、米モンタナ州第二位を誇った大牧場主だった。

それが、すべてを投げ打ってベジタリアン(菜食主義者)となった。

原題は『マッド・カウボーイ』。しかし、これは彼一流のユーモア。彼は「あなたの健康と地球の未来を救うのは、動物食(アニマルフード)をやめること」と強調する。

なぜなら、人間は、草食動物だからだ。これは、森下博士の説とピタリ一致する。

彼は言う。肉食動物の腸は体長の三倍の長さしかない。これは腸内で肉が腐敗する前に排泄するため」なのだ。

人間の腸は体長の―二倍。この一事を見ても、人間が肉を食べることは危険なのだ。

和食中心の食事をしていた日本人がアメリカに移住して肉中心の食事に変わると大腸ガンは四倍に激増する。

心臓麻痺による死亡は10倍と爆発的に増える。

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さらに毎日のように肉を食べる肉好き女性の乳ガン死亡リスクは肉を食べない人の4倍。糖尿病も肉好きは3.8倍も死亡リスクが高い。

「骨粗しょう症も肉と牛乳が原因」とハワード・ライアンは明快に言い切る。

これも森下博士とおなじ。

乳製品や卵なども、摂らないほうがベストなのだ。近代栄養学で洗脳された人にとっては天地がひっくり返るほどの驚きだろう。

しかし、森下博士やハワード・ライアンが明言していることは、数多くの研究で、まさに一点の非の打ち所もないほどに立証されている。

なお、ここですすめる味噌は、とうぜん自然醸造で十分に発酵熟成されたものでなければならない。

市販パック入り味噌は不可。発酵を止める合成保存料が添加されているからだ。

月刊マクロビオティック 2003年01月号より

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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