台所のサラダ油が学習能力の低下、ぜんそく発作の引き金にもなる 

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船瀬俊介連載コラム

「リノール酸は、からだにいい」と思い込んだため「身のまわりの食品は、リノール酸偏重の道を突き進んでいる」と奥山教授は、警鐘を乱打するのだ。

「植物油は健康に良い」の落とし穴

それが、けっして杞憂ではないことを、以下の研究報告がしめしている。

まず食用油の三分類を知っておこう

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まず、一口に食用油といっても、三種類あることを理解しなければいけない。

①飽和脂肪酸(および一価不飽和脂肪酸)系:A動物の肉、B卵、C乳製品に多く含まれる。

②リノール酸系:Aベニハナ油、Bコーン油、Cヒマワリ油・・・などに多く含まれる。

③αーリノレン酸系:Aシソ油、B魚、C海藻…などに多い。

飽和だ…不飽和脂肪酸だ…と聞くとアタマが痛くなってきそうだが、これは脂肪酸の構造の違いから分類されたもの。

脂肪酸とは「炭素」「水素」「酸素」の三元素からできている。

一直線の「炭素」の鎖に「水素」がくっついてる。

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そして、いちばん右端に「酸素」がくっつく(A)。「炭素」の鎖すべてに「水素」が結合した(飽和した)ものを、(イ)飽和脂肪酸と呼ぶ。

「炭素」同士が二重結合をつくると、ここは「水素」で飽和されていないので(口)不飽和脂肪酸と呼ぶ(二重結合が一個なら「一価不飽和脂肪酸」。

二個以上は「高度不飽和脂肪酸」である)。

[注]1 リノール酸は、二重結合が二個(ハ)、2 αーリノレン酸は二重結合が三個(二)ちなみに 3 飽和脂肪酸などは、動物脂肪(中性脂肪)と呼ばれ、動物体内でつくられる。

これに対して 2 リノール酸、3 αーリノレン酸は植物しかつくれない。

むずかしい話は、これくらいにして…。しかし、このわずかな違いで、健康へのはたらきがガラリ変わることがおもしろい。

①の動物脂肪を控えるは、もはや栄養学の常識。

では、現代人が、おちいっている②の高リノール酸食と、奥山教授がすすめる③の高αーリノレン酸食を、具体的に比較してみよう。

学習能力の低下 高リノール酸は頭を悪くする

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(B)は、Aシソ油(αーリノレン酸系)、B普通食、Cベニハナ油(リノール酸系)の三つを与えたネズミの学習能力を観察した結果。

ネズミをレバーを押すと明るい光のときエサが出て、暗いときに出ない実験装置に入れて「学習能力」を観察したもの。

Aシソ油群の主スミのほうがレバーを押す誤動作が少なく、高い学習能力を示している。

(C)は、「エサがもらえなくなったことを理解するのに、どれだけかかるか?」を実験したもの。

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Aシソ油群は、すぐに「理解」したのに、Cベニハナ油群は、空しくレバーを押し続けている。つまり「もの覚え」が悪い…。

この実験は「脳」「神経」の機能を高めるαーリノレン酸の働きを証明したのである。

ネズミ二世代にわたってAシソ油群、Cベニハナ油群の脳リン脂質を比較すると、脳の働きに不可欠なDHA(ドコサエキサエン酸)は、A のほうがC の約2.5倍も多かった。

つまり、優秀な脳形成にシソ油などのような高αーリノレン酸食は不可欠であることがわかる。

「アタマのよい子に育てたかったらシソ油」である。

視力の低下 シソ油などで目をパワーアップ

(C) ベニハナ油(リノール酸系)は、視力を低下させることも判明。

逆にAシソ油(αーリノレール酸系)は視力を高く保つ。

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(D)は、ネズミの網膜反射能の比較。あきらかに、Aシソ油群は、Cベニハナ油群より、はるかに視力が優れていることがわかる。

モノが目で見えるしくみも、神経化学反応である。網膜に光が当たると、そこに化学反応がおこり、それに基づき電気が発生して、それが神経を伝わって脳に伝えられ、われわれは物を見るのである。

網膜にはaーリノレール酸由来のDHAが多く集まっているので、その欠乏は、視力を落とさせてしまうのだ。

視力が気になるお子さん、あるいはお年よりなども、シソ油などα—リノレン酸系の脂肪を意識して摂るべきだろう。

 αーリノレン酸系ヘシフト!

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(E)は、ベニハナ油など市販リノール系「サラダ油」が、ぜんそく発作の引き金となることを立証する実験結果である。

ぜんそくは平滑筋収縮作用で起こる。

その作用は、ベニハナ油群は、シソ油群より約60%も多かった。これは、他のさまざまなアレルギー反応にも共通する。

ぜんそく発作の引き金が、じつは「台所のサラダ油であった」など、だれが想像できただろう。

それにしても、いまだ「ベニハナ」や「コーン」をCMで盛んに宣伝しているセンスが理解できない。

大手食品メーカーは「消費者は、気づいていないはず」と夕カをくくっているのかもしれない。

奥山教授はアレルギー体質改善のために「食品選びのときに、リノール酸系を少なくして、αーリノレン酸系を多くとる」ようにすすめている。

月刊マクロビオティック 2000年11月号より

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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