昆布の選び方、美味しいだしの取り方

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船瀬俊介連載コラム 

やはり超高級からランクあり

【前回の記事】

昆布は必須ミネラルの宝庫、昆布だし味噌汁は最強のカルシウム源

さて、昆布の選び方。

やはり、品質はピンからキリまである。まず最上クラスは真昆布。肉厚で幅が広い。風味が上品なので昆布の王者と呼ばれる。

その中でも北海道南茅部町の「川汲昆布」が最上級として名高い。あめ色をしてだし昆布にすると味が濃い。この近辺でとれる昆布は切り日が白しろくちもとい。

これを「白日元揃」と呼ぶ。

次のランクが切り日の濃い「黒日元揃」。そのなかでは「羅臼昆布」がベスト。肉が部厚く、歯応えも絶妙。「黒口」では「本場折」がこれに続く。

真昆布は以上三種。つづいて「利尻昆布」「日高昆布」「長昆布」「厚葉昆布」「細目昆布」と続く。

以上は市場でもピンとキリで約五倍の入札価格差がつく。

専門家によれば「川汲昆布なら、低級品の三分の一分量でだしがとれ、旨味がすぐれ、だし汁が澄んでいる」という。

ちなみに「とろろ昆布」は、そういう品種があるわけでははい。

これは一枚の昆布を、櫛目のような刃物で薄くそいだもの。幅が細かいものが「とろろ昆布」、広いものは「おぼろ昆布」。市販のものは酸っぱい臭いのものが多い。

昔は食酢で味付けしたものを、いまは氷酢酸5%の化学酢で代用している。その差が鼻につく。米醸造の和酢をつかうと昔ながらの味がする。

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「だし」をとる「食べる」で使い分ける

選ぶコツは、どういう使い方をするかもポイント。

安い昆布でも高い昆布と栄養価は変わらない。懐具合もかんがえて、煮物などだしを取るだけなら安い昆布でも十分。

吸い物などは高級品をつかったほうが品のよい深い風味となる。

肉厚の真昆布は、だしを取るだけではもったいない。だしを取ったあと刻んで醤油、みりん、砂糖と煮込んで佃煮あるいは酢のものなどに。

このように食材として厚昆布はすぐれる。

「天然」「養殖」の差もある。「養殖」物は、「長期保存がきかない」「歯ごたえが悪い」「旨味が少ない」などの欠点がある。「天然」表示のものを選びたい。

また「天日干し」と「機械干し」も要チェック。

とりたての昆布は浜に広げて天日に干す。北海道の風物詩も、ほとんどが「機械干し」にとって変わられてしまった。

「機械干し」は、二m余りの昆布を台車に吊り下げ、台車ごと乾燥室に入れて、重油ボイラーで十数時間加熱して乾燥する。

とうぜん「天日干し」のほうが潮の香り、風味に勝るだろう。

だし、佃煮、料理に八面六胄の大活躍

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昆布だし——ー。

グルメ漫画『美味しんぼ』に、20cm角くらいの昆布を鍋のお湯に右から入れて、左から静かに取り出す究極のだし取り秘伝が載っていた。

これは超一流料亭ならまだしも、普通の家庭でやったら、これは千円札(!)でだしをとるようなものかもしれない。

家庭料理は、もう少し気楽にやりましょう。

ふだんの鍋物、湯豆腐、めんつゆ、おつけものなどにはお徳用バラの「だし昆布」を。4~5cmの長さに切っておき、台所のコンロ脇の容器に入れておくと便利。

■味噌汁・まず鍋に水を入れて火にかける。「だし昆布」―つかみ(五~六片ほど)放り込む(できたら干ししいたけ戻し汁も加える)。

沸騰するまでに野菜、油揚、豆腐しいたけなど具とネギなど薬味の用意。沸騰が始まったら昆布を取り出し、具を加えて煮る。

味噌をとき加えてできあがり。お椀によそって薬味をちらすといい香り。

■スヒード味噌汁・もっとスピーディにやるには、刻み昆布をつかう。鍋を火にかけ、水に刻み昆布とスライス干ししいたけを放り込む。

スライサーで野菜をカットながら直接なべへ落とす。油揚など他の具も細切りに。

乾燥野菜、ワカメ、高野豆腐などが入った「味噌汁の友」が役立つ。ひとつまみ投げ込み、沸騰したら味噌を溶いてできあがり。朝の忙しいときでも一分でできる。

■超「即席味噌汁」・これは味の素たっぷり袋入りインスタント「味噌汁」愛用の独身者などにマスターして欲しい。

大きめの器に味噌をクルミ大いれる。

刻み昆布(またはとろろ昆布)を―つまみ。スライス干ししいたけをパラッ。ダイコン、人参などスライサーで極細千切りでチャチャッ。刻みネギ。「味噌汁の友」パラッ。

最後にグラグラ熱湯を注いでかき混ぜ完成!手早くやれば十数秒でできる。ナべも洗わなくてすむ。

ポイントは、奮発して無添加、天然醸造、長期熟成のいい味噌を使うこと。

羅臼、日高など板昆布をつかうときは2cm角くらいに切っておいて、味噌汁の具として食べてしまうのもよし。

ただし量を少なめに。煮過ぎない。これが秘訣だ。

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■一番だし・約10cm角一枚を、水カップ四杯半に20~30分漬ける。中火にかける。煮立つ直前にとりだす。昆布だしはコクが持ち味。吸い物、めんつゆ(みりん、醤油、お洒少々)。

■二番だし・一番だしの半分の水を加え、おでんや寄せ鍋などの煮物に使える。

■佃煮・だしをとった後の昆布も、捨ててはもったいない。細切りにして醤油、みりん、砂糖、酒を煮詰めて佃煮に。

味噌に混ぜて味噌漬け昆布などで、美味しくいただける。

古代より不老長寿の妙薬と称えられた昆布。沖縄のひとびとの長寿の理由は、日々の食事で欠かさぬ昆布にあるという。

くだらぬドリンク剤や栄養剤、保健薬に金をかけるみらいなら、この東方伝説の霊食を台所に装備すべきだ。

月刊マクロビオティック 2002年04月号より

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船瀬俊介 (ふなせ しゅんすけ)地球環境問題評論家

著作 『買ってはいけない!』シリーズ200万部ベストセラー 九州大学理学部を経て、早稲田大学社会学科を卒業後、日本消費者連盟に参加。

『消費者レポート』 などの編集等を担当する。また日米学生会議の日本代表として訪米、米消費者連盟(CU)と交流。

独立後は、医、食、住、環境、消費者問題を中心に執筆、講演活動を展開。

著書に「やってみました!1日1食」「抗がん剤で殺される」「三日食べなきゃ7割治る」「 ワクチンの罠」他、140冊以上。

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